【連載】意外と知られていない?基本の基本 その5
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連載です。
前回は縄の太さと重さのバランスについて空気抵抗の関係から見てきました。
今回は、持ち手の部分(通称:グリップ)のことについてです。
みなさんはご自身が使っている縄は、どのぐらいの長さのものでしょうか?
一般に広く知られている100円縄跳びは、比較的短めに設定されています。
中には学校指定で購入した場合もあるかと思いますが、小学校で広く使われているものは短めの物が多いですね。
そしてスポーツショップなどで販売されているASICSの縄跳びをはじめ、グリップが長めのものもあります。
こちらは3重とび用だの、競技用だのと仰々しい名前が付いているものが多いです。
ではこのグリップの長さが違うと何が変わるのでしょうか。
既にご存知の方もいるかとは思いますが、まず【縄のふり幅】が変化します。
手首を使って縄を動かしたとき、それは一種の円運動に近いものになります。
そのため長さが長いほど、先端の動く距離が大きくなるのです。
また先端の動く距離は長くなるのですが、時間は殆ど変化しない。
つまり、速度が速くなるのです。
よって、長めのグリップを使うと早く縄を回す技がやりやすいといわれています。
しかし・・・・
実はこれは個人差が非常に激しいのです。
その理由としては回し方の個人差があるからです。
実際に使ってみて長めのグリップのほうが回しやすい人もいれば、逆にふれ幅が大きくなりすぎて回しにくくなってしまう人も居ます。
距離が伸びる分、それは【全体のブレ】として縄に跳ね返ってくるからです。
手首そのもの回旋力が高い人は、そのブレがうまくコントロールできずに逆に引っかかってしまうことも。
そのため一概に、長ければ良いというわけではないのです。
では他に長いとどのような利点があるでしょうか。
それは交差とびなどの時に力を発揮します。
グリップが長い分、より縄を交差させやすくなるのです。
たとえばフリースタイルなどの演技を行うときは、殆どの国の選手が長めのグリップを使用しています。
これはある程度長いほうが、交差系を含む技がやりやすいためと考えられます。
もちろんこれも人それぞれ。
中には深く交差をすることが体に染み付いていて、長いグリップにすると交差をし過ぎてしまう人も。
アメリカの選手は不思議と短いグリップを使う選手が殆どなのです。
それでは、短いグリップを使うとどのような利点があるのでしょうか。
まず第一に軽くなるということ。
当たり前の話ですが、長くなればその分だけグリップが重くなります。
しかし普通に回している分にはあまりこの重さは関係ないのですが、一部の技をするときに非常に苦労をします。
それはリリースと呼ばれる、手から縄を離す技。
空中に縄を投げ出して、もう一度キャッチして跳びなおすという高度な技術です。
新体操のロープなどでは一般的に行われていますが、なわとび界でも最近はスタンダードな技になってきました。
このリリースをするときは、重さがあるとその分だけ遠心力がかかってしまい、コントロールを失いやすくなります。
ただし、繰り返しになりますがこれはあくまで一般論です。
グリップの長さは自分の好みのよって、どちらを使っても問題はないのです。
長いグリップだからリリースはできなくて、短いから交差はできないなんてことはありません。
あくまで「やりやすい」「やりにくい」のレベルの話です。
それぞれ【長い】【短い】グリップには、どのような長所と短所があるか、それを意識して練習すれば良いということですね。
次回はなわとびをするときの姿勢について紹介したいと思います。