ケッサク

あの瞬間は、なかなかのケッサクだったと思う。

未だに練習中のバンジー。

成功率は格段に上がり、ミスをすることも無くなってきた。

音楽に合わせて、

照明に合わせて、

気付けば失敗用の梯子も使わなくなり、

さぁ来週ぐらいから実際にショーでやるぞ！ってぐらいに、ディレクター達も考えていたらしい。

そんな練習の一発目。

音楽も照明も付いてた。

まさか失敗するとは思っていなかったのだろう。

梯子を持つテクニシャンも余裕な感じで下から見上げていた。

はい、見事にキャッチミス。。。

無残な形の再落下、そのままつるされる。

その瞬間、シアター全体に残念な空気が流れる。

何よりも残念な状態でつるされる自分。

あぁ、こんな風になるんだ。

この感覚は久しぶり、でも全身で浴びる残念な空気は新鮮すぎる。

・・・もう失敗したくない。