グレーゾーン
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2ヶ月という時間で演技を一定以上のクオリティまで仕上げて、オーランドに向かう。
この期間は短いようで長く、長いようで短い。
今日で3週間目になりました。その月曜日は、大きな試練の日でした。
競技者(アスリート)としてこれまで練習を重ねてなわとびに打ち込んできた日々。
ある意味、競技的な技術といわれるものは一通りできるようになりました。
それは縄の操作技術という意味で。
考え方は色々あるかと思いますが、誤解を恐れずに言えば「ロープスキッピング競技」は縄の操作技術に尽きると思います。
スピードにしてもフリースタイルにしても。
そんな意識、延期の5か月で消しているつもりだったんですが。
甘かった、いや甘すぎた。
自分の動きは滑らか過ぎて力が無い、エネルギーが無い。
こんな感じのことを言われ続けます。
そりゃそうです、縄の操作技術が高ければ無駄な力もいらないし、体力もほとんど使わない。
だけどそれは違う、パワーがほしい、エネルギッシュな動きがほしいと言われ続ける・・・。
動く。見せる。違うと言われる。
また動いてみる。また違うと言われる。
あげく
「Yusukeは階段を上っているけど、Shoichiは全然上がっていない」
とまで言われる始末。
わからない、いや頭では理解できるかもしれないけど、身体が動かない。
そして不必要なプライドや羞恥心が邪魔をする。
…うごけない。
何をしていいのか分からない、あまりにも不甲斐ない状況。でも・・・・
どうやって動けばいいのか、本当にわからなかった。
自分ではこの状況をグレーゾーンと呼んでいます。
感情とか思考とか、色んなものが色を失ったような感覚。
イライラ、焦り、不安。あらゆるマイナスの要素が増幅される状態。
精神状態は最悪、周りの人にも迷惑掛けまくりで言葉を発する気力も失せるありさま。
追い打ちをかけるように古傷だった「右ひざACL断裂」の件が長引き不安は募る。
別に問題はなかったと言われたのにレントゲンを撮ったり、サイベックス(筋力測定)をしたりと、色んな検査を受ける。
でもひとまず悪い結果じゃなかったし、今のところは一安心。
「何が足りない、何をすればいい。」
思わずコーチに聞いてしまいました。
そんなことは自分で解決いていくしかない、重々知っていた。
けど、何かに当たらないと気持ちが収拾できないレベルまで追い詰められていた。
こっちにきて以来、一番最悪の状態で午前中の練習を終えました。
昼食はカメ○シのような臭いがする香草?が乗っている、ご飯を選択。。。
テンションは一層下がったまま午後練習に向かう。
コーチが来るまで簡単に動きを確認して、体をあたためて。
気持ちを入れた、感情を作った、
エネルギーが入るかなんて分からなかったけど、
大会本番かそれ以上の集中力を持って演技のEmotionを作っていた。
ふと、その時。
・・・何かが自分の中で動いた。
上手く表現できないけど、何かが。
大きな岩を押し続けて、不意に動いたような感覚。
縄は絡まるし、移動方向は間違える。しかも技のカウントもバラバラ。
だけど・・・なぜだろう、今回は動けた。
不思議なぐらい動けた、
そして異常なまでに、そんな自分を観察しているもう一人の自分がいた。
練習後、少しだけ映像を見てそこで動く<モノ>を見て驚く。
【誰だ、こいつ??】
そこには、今まで見たことない<モノ>が、とり憑かれたように暴れていた。
ほんの少しだけ、グレーだった自分に色が付いたのかな。
うーん…そうだな、深緑。今のところ。
全力でマイナスな日記だけど、あえてこんなのを記しておきます。
だって今日が後に…ターニング・ポイントになっている気がするから。