苦楽を共にした「なわ」に別れを告げる時
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思い込みというのは怖いモノだ。
当然だと思っていたものが時々刻々と変化し、時によからぬ結果を生んでしまう。
縄は消耗品、切れる。
あまりないけどバッサリ真っ二つになることも。
自分の場合、縄が度重なる練習やショーで摩耗する。
接地部分の太さそれ以外の部位に大きな差ができてしまうのだ。
切断というほど重大事ではないが、感覚が変化していく。
技のタイミングやちょっとした感覚にズレが生じる。
3重とび以上の技をするときは好都合だが、それ以外の技、なにより交差とびとリリースがやりにくくなる。
気付けばアクト中の失敗の原因にもなる。
これらを加味して、100回(2ヶ月ちょっと)で縄を定期的に交換することにした。
切れていなくても感覚を維持するために。
捨てずに保管はしておくが、彼らがステージに上がることは二度とない。
フト確認してみると、デビュー時から使用していた縄もかなり摩耗している。
さらに失敗や練習によって、黒い汚れもついている。
プレミアを共にした思い入れもあり、一見するとまだ使えるがそこは仕事。
次に思いを込めて交換をする。
新品独特の、馴染んでいないかたい感覚。
改めて交換前の縄がどれほど摩耗し、結果感覚がずれていたかを確認。
まだ大丈夫だ。切れていないから。
切れないと思っていた試合本番直前で、切れたことだってあるじゃないか。
何が起きるか分からないステージ。
予測できることを予め予測しておく。
もったいないけど、
次へショーに繋げるために。