縄のまっちゃん公式ブログ【旧ブログ】

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アーティスト自由競争の幕開け


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今週はシアターの中に重苦しい空気が流れている。

ピリピリというのとはちょっと違う。

何をしていても落ち着かず、会話のトーンも自然と落ちて行くような・・・





そう、今週は来年の契約更新の話し合いが行われる。

自分を含め、全てのPermanent契約アーティストの契約が見直される大切な時期なのだ。





1人ずつお偉いさんの部屋に行って、来年の契約がもらえるかどうかの宣告を受ける。

もしそこで契約がもらえる場合は、こちらのサイン一つで契約更新となる。

仮に何かしらの理由でサインを見送れば、契約は更新されない。

だが、契約をもらえない場合だってある。

Permanent契約は日本で言う正社員みたいな扱い。基本的には更新される。

しかし時と場合によっては・・・更新されない、いわゆるリストラが発生する。





前の記事でZEDの閉演にともない、アーティストが一気に市場に溢れることを書いた。

シビアな現実が、本当にアーティストに付き付けられていく。



例えば怪我。

クロバットをしている以上、どんなに注意していても怪我は起こりうる。

しかしその怪我も場合によっては契約更新ができなくなる要因の一つになる。

もっとも、怪我をしてもすぐにお払い箱ってことはないけど、限度ってのはやはりある。

そして上記のようなアーティストの飽和状態。

出演経験のあるアーティストが溢れており、かつ次のキャスティングを狙う次世代も五万と存在する。

オーディションには毎年千人近くの合格者が出るとも聞いている。

彼らはチャンスさえあればステージに立つべく、日々練習に励んでいるのだ。



実際のショーではどうだろうか。

確かに毎日のショーで頑張っている。

しかし、頑張っているだけなら、ステージを狙っている他のアーティストと同じだ。

全体の市場の中で必要とされるような頑張りや努力が、ステージに立つ以上は求められて当然ではなかろうか。

ポジションの席数は決まっている。

Permanent契約を一回獲得してしまえば、多少の事では契約は打ち切られない。





だが、こうしたぬるま湯に浸かっていられる時代は過ぎた。

よりよいアーティストが現れれば、仕事が奪われていく。

ある日突然、自分の知らないアーティストがポジションを持って行ってしまう。





向上していく意識と、努力を怠らない者のみがショーに出演し続けられる。







それで良いと思う。むしろ本来の姿に戻ったのだ。

運とタイミングさえ合えば、一定以上のスキルを持つアーティストならステージに立つことができた。

一度ポジションを獲得したら、悪く言えば居座ってしまう。

たとえどんなに他の素晴らしいアーティストが居ようとも、席に空きが無ければ座ることはできない。





これは不公平ではないか?

場合によっては内部で堕落していく。

人は何かしらの危機感を常に持っている方が、よりよいパフォーマンスを発揮すると思う。

ステージの上でも同じことだ。









ならいっそのこと、流動的な立場にしてしまえば良いじゃないか。

今はステージに立っていないアーティスト達と自由競争の場に置かれるという、危機感を持った状態に。。。





良くも悪くも、

気を引き締めていないと誰かに取って代わられる。

それがいくら長年会社で働いた人間であろうと、関係は無い。

残酷なように思えるが、ショービジネスである以上は年齢も関係させざるを得ない。







果たして来年のLa Noubaから何人が去ることになるだろうか。

聖域なき自由競争が、幕を開けた。

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