シルクのアーティストが抱える不自由
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12月31日は出会いと別れの時期。
契約を更新しないアーティストはこの日を境にShowを去る。
後任のアーティストのトレーニング状況、その他特別な事情がある場合は短期契約という形で延期される場合もあるが、多くの場合はこの日で最後のShowとなる。
今年もまた、3名のアーティストがLa Noubaを去ることになった。
写真にいるのはMarkというアーティスト。
他にもFlying TrapizeのRenzoとTroyがShowを離れることになった。
彼らは決して体が動かなくなったわけでもないし、技術が衰えたわけでもない。
Rensoなんてまだ32歳。特に彼は10年は働けるんじゃないか?ってほどにエネルギーがあふれている。
それでもShowを離れる彼らには、人に言い尽くせない理由があるのだろう。
特に今回の3人は10年以上も出演してきたベテラン中のベテラン。
次のステップに進むためと常套文句でお別れの挨拶をしていたけど、きっと別の理由があったと思う。
2年間働いてみて思ったが、シルクは長年働くのには特殊な根気が必要だ。
週に10回のShowを続けていくのは正直しんどい。
毎日同じ内容、同じ演技を年間で500回近くやるのだから、今までに経験したことのないマンネリ感を覚える。
競技選手ならば大会に向けて、コンテストに向けてモチベーションを上げていくだろう。
練習内容を見直したり演技を変更したり、はたまた新たな構成にチャレンジしたり。
シルクにこれらが無いわけではないが、圧倒的に自由度が低い。
振り付けに拘束力があるので、逐一ディレクターに許可を取らなければ変更もままならない。
もちろん全ての変更が認められるわけではない。
特に集団アクトの場合は勝手に技を変更してしまうと全体への影響もあるので、ソロアクトより一層不自由だ。
また、変更にはそれなりの練習と時間が必要だ。
新しい技術を身に着けるとなればステージに持っていくまでにそれなりの苦労がある。
普段のShowプラスアルファの練習、トレーニング。
仮にそれがステージで日の目を見ることになったとしよう、はたして新たな演技は週に10回のShowに耐えうるか。
より良い演技を目指すとはいえ、
継続してステージに立つことを考えれば、演技変更に二の足を踏むのは致し方ない。
今回の3人はいずれも集団アクトのアーティスト。
個人的な予想の域はでないけど、彼らはこうした不自由から解放されたかったのではなかろうか。