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【連載】この技なんて名前?? その4


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連載です。



前回は金子先生と太田先生の偉大な功績について書きました。

今回はその功績の内容について詳しく書きたいと思います。



少し難しい理論なのですが、なわとびに興味がある人は必読です。

まずなわとびには大きく分けて5種類の基本となる跳び方があります。

それぞれ「前とび」「交差とび」「側方回旋」「背面交差」「混合交差」としてこの理論は進みます。

後半3つがあまり聞きなれないかもしれません。

側方回旋とは両手を揃えて体の側方を回すこと、つまり横に振るだけの技です。なので縄を跳んではいません。

次に背面交差とは、背中で腕を交差した状態で跳ぶ技のことです。

そして混合交差とは、片方背中で片方おなかで交差をした状態で跳ぶ技のことです。



さてこの基本の5種類をまずベースにして、次にこれらの組み合わせに理論が発展していきます。

まずは回旋という考え方。

たとえば2重とび。これは一度に「前とび」を2回転させる技ですね?

これは「一回の跳躍で二回の回転をさせる技」ということで【二回旋】と名前をつけました。

同じく3重とびは【三回旋】、4重とびは【四回旋】といった具合です。



次に腕の形の考え方。

最初にあげた基本の5種類の中で「交差とび」「背面交差」「混合交差」の3つは、腕の形が変わる技です。

そのためこれらを含む技にはぞれぞれの名前を含み、更に「前とびや他の技を含む跳び方」の時は「あや」と分類しました。

たとえば3重とびで全て交差とびで跳ぶ技を「交差三回旋」、途中で前とびが入る技を「あや三回旋」という具合です。



しかしここで1つの問題が生じます。

実は「あや」の場合に、どこで交差を入れるかで技の難易度が違います。

しかし「あや」という言葉だけではそれを表現することができない。そこで「順(J)」「交(K)」という表記を生み出しました・

これは回旋中にどの順番で技を行うかをあらわしたもので、技名前の最後に付けられます。

たとえば「あや三回旋」の中で「前とび」「交差とび」「交差とび」の順番で縄を回すとします。

すると「あや三回旋 順交交」という形で表現されます。



さらにそこに側方回旋の考え方がプラスされます。

「側方回旋の次は必ず交差とび」というルールをつけて、側方回旋を含む場合は「側方回旋あや」という名前をつけました。

たとえば「側方回旋あや三回旋」といった具合です。

ただ、この側方回旋はとても奥の深い理論がありここで説明すると混乱を招くので、この程度で省略したいと思います。





そして最後に関係してくるのが「回旋方向」です。

これは簡単に言うと「前回し」か「後ろ回し」かのこと。

後ろとびは難しいなんて話がありますが、それもこの技の名称に含まれます。

それは技の一番最初に宣言され、先ほどの「あや三回旋 順交交」ですと「前方あや三回旋 順交交」という感じになります。





このような段階を踏んで、理論的に技を分類したのが前回書いた金子先生と太田先生です。

少々難解かもしれませんが、このようになわとびの技を分類し命名することは、なわとび研究にとって素晴らしい業績でした。



更に詳しい理論を知りたい方は、こちらの本を参考にしてみてください。

asics(アシックス) INF公認 短なわ長なわハンドブック 95-013



次で最後になります。

次回は、フリースタイルの技の名前についての紹介と今後の課題について書きたいと思います。

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