【連載】 前とびがとべない!? その4
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連載です。
さて少しずつ前とびの難しさがわかってもらえてきたでしょうか。
今回は1回旋2跳躍と言うものを分析します。
低学年の小学生や幼稚園生で多く見られるのがこの「1回旋2跳躍(いっかいせん にちょうやく)」と呼ばれる跳び方です。
それは一度縄を回す間に2回ジャンプを行う跳び方のことで、いっぱんにゆっくりした前とびと認識されています。
この「1回旋2跳躍」は、初期段階の前とびを理解するのにとても重要な運動なのです。
既にふつうの前とびができるみなさんが子どもの真似をして「1回旋2跳躍」をしたとします。
実は厳密に言うと、それは本当に子どもが行っている運動とは別物なのです。
人間の運動や物理の観点からなわとびが不自然な運動であると言うのは、前の連載で書いたとおりです。
しかし小さい子どもにとっては、その不自然をそのまま受け入れて消化することは難しいです。
そこで発生するのが「運動の補完」と呼ばれるものです。
これはある一定の動きが制限されたときに、その運動に類似した運動でその役割を補う活動のことです。
それがこの1回旋2跳躍には隠されています。
前とびができない子どもが最初に跳び始めるとき、どのような姿勢をとりますか??
多くの場合が両肩に縄を担いだ状態で始めようとしませんか?
実はこれが運動の補完なのです。
両腕を挙げた状態で肘を曲げ、勢いよく伸ばすことで上方への引き上げと同じリズムを生み出しているのです。
結果として肘を伸ばすことで縄は頭上を越えて前に回り、1回旋2跳躍の1跳躍目が行われます。
そして次に2跳躍目。
自分の目の前に来た縄を、今度は腕を後ろに向かって強く引くことでジャンプの補完運動とします。
すると腕が強く後ろに引かれるため、結果としてジャンプと同じタイミングで縄が足の下を通過します。
よってその瞬間に1回旋2跳躍と言う運動が完成するのです。
このようにして1回旋2跳躍と言うのは、ジャンプがうまくできない状態で子どもが捻り出した苦肉の策なのです。
逆に言えば、この1回旋2跳躍を目指して練習することで、跳べない子どもも跳べるような道筋になりえます。
あまり重要視されていなかった、この「1回旋2跳躍」をもう一度考え直してみる必要があります。
さて次が最後になります。
最後は前とびができるようになるための手立てです。