【連載】 前とびがとべない!? その3
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連載です。
前回は前とびは歩くことと同じで、無意識だからこそ教えるのが難しいということを書きました。
今回はいよいよその分解にはいりたいと思います。
前とびをもう一度考えてみてください。
縄を足の後ろに準備して、それを回してジャンプする。
最初の1回が回った後は、引っかからないようにリズムよくジャンプをする。
あとはこの繰り返し・・・。
ではまた少しはなしが逸れますが、今度はジャンプの時のことを思い出してみてください。
学校の体力測定や、立ち幅跳びなど。
ジャンプをする機会はどこかしらであったと思います。
さて、そのときのみなさんの腕はどのように動きましたか?
動かなかった?
いえいえ、そんなことはありませんよね?
ほとんどの人が、腕を下から上に向かって振り上げたと思います。
そして更に運動のセンスのある人は、膝をしなやかに使って腕の振りとリズムを合わせていたことでしょう。
これは人間の動きとしても、物理的に見ても非常に合理的な運動の仕方です。
まず腕の振り方について。
腕を振るという行動でジャンプをするときのタイミングを見計らっています。
人間はジャンプをするときに無意識に膝を曲げて、そこから膝を伸ばすようにしてジャンプをします。
そして着地の時には逆に膝をやわらかく使い着地をする。
物理的な見方でも、腕を振り上げることで重心を上方に引き上げることができて効率よく高く跳ぶことが出来ます。
ではもう一度ジャンプの仕方を思い出します。
今度は前とびのときのジャンプを腕を思い出してください。
何かに気づきませんか?
そうです。不思議なことに「なわとび」のときだけ腕が普段とは正反対に動くのです。
理由は簡単。
縄を回しているときに腕が上にあると、うまく回せないからです。
実際やってみるとすぐに理解できるかと思います。
ところがこれは、通常のジャンプからしたら極端に不自然な動きなのです。
一部の子どもが前とびが跳べない理由はここにあります。
自分ではジャンプをしているつもりだが、実際にはリズムをうまく作ることができない。
そればかりかジャンプをしようとしたら、今度は縄がうまく回ってくれない。
子どもの中では言語化されていないとはいえ、おそらくこんな独り言が行きかっているです。
いかがでしょうか?
なんとなく誰でもできると考えている「前とび」ですが、実はとっても不自然な運動なのです。
その意味ではできない子どものほうが、ある意味自然なのかもしれません。
次回は、1回旋2跳躍について考察したいと思います。